視力チェックって何をしているの?⑥~両眼視機能テストその2~
- 2019.03.01
- 仕事内容
皆さん、こんにちは。金剛店仲野です。
何回か寄り道もしましたが、前回までで
「なぜ視力チェックをするのか?」
という疑問に私たちの思いをお伝えし、予備検査と呼ばれる内容をお話ししてきました。
今回からいよいよ本格的な検査項目の説明に入らせて頂きます。
予備検査で「眼位チェック」(いわゆるカバーテスト)とNPCテスト(いわゆる寄り眼テスト)を行い、お客様の眼の情報を得ました。
メガネの金剛ではこの予備検査で得られるデータを元に、必要と判断される場合は両眼視検査を行います。
「ウォース4灯管検査」
「立体視検査」
「コの字テスト」
「ショーバーテスト」
「プリズム分離法によるプリズム量テスト」
※1)プリズム分離法のテストでは写真の縦1列の文字が2列見える状態で検査します。
他にも色々な検査がありますが、メガネの金剛で行っているのは基本的に上記の5つです。
これまでに眼科や眼鏡店などで検眼や視力チェックをされた事がある方は、上記の何個かは見た事があるかもしれません。
何を調べているかというと、【同時視】→【融像】→【立体視】のなかでお客様の眼がどの状態にあるかということです。
同時視?
融像?
立体視?
説明します。
前回までで人間の眼は2つ共が前を向いていて、目的物までの距離までも把握できるすごい物だと説明しました。
そのすごい機能のお陰で、我々のご先祖様は樹上生活を送れたり、進化して獲物まで槍を投げたり出来るようになったわけです。
2つの眼で目標物を同時に見ることができるからこその機能です。
同時に見る。
言葉の通りですが、これが「同時視」です。
馬やウサギは基本的に2つの眼で同時に見ることは出来ません。
しかし人間の眼も、何かしらの異常があると、同時に見ることが出来なくなるのです。
一つのものが二つに見えてしまう方もいれば、知らず知らず片方の眼だけで見ている方もいます。
ご自身で気が付かれている方もあれば、気が付かれていない方もあります。
原因は様々です。
※2)説明が前後していますが、メガネの金剛では両眼視検査を行う前に屈折異常(いわゆる近視とか乱視とかですね)や調節力(いわゆる老眼ですね)の検査をしています。それらのデータも加味して、どうして「同時視」が出来ていないのか、その原因を総合的に判断します。
同時に見ることが出来たら、次は「融像」です。
2つの眼で見ている物を一つの物として認識する能力のことです。
当たり前のようですが、実はとても高度な機能です。
皆さんも片目をつむったら、物が少しズレて見えると思います。
一つの物を見ていても眼に映っている映像は同じではないのですが、両目で見ている時は違和感なく一つに見えていると思います。
同時に見て一つと認識出来たら、いよいよ「立体視」です。
左右の眼に映っている映像の僅かなズレ(視差と言います)から、人間の脳は物を立体的に認識することが出来ます。
ここまで来て初めて、普段見ている普通の景色が広がってきます。
普通に見えているということは、実は色々な能力を駆使しているのです。
この「同時視」「融像」「立体視」のどこに異常があるのかを、前述の「ウォース4灯管」「立体視テスト」「コの字テスト」などで調べています。
メガネの金剛ではこれを正確に判断することで、
「何となく見にくいんだけど…」とか「原因は分からないけど疲れる気がする」といった
お客様自身にも分からない眼の状態を把握し、的確なアドバイスをさせて頂いています。
お気軽にご相談下さいね。
おまけ
今回お話しましたように人間の眼はとてもすごいのですが、だまされやすくもあります。
「錯視」ということを聞かれたことはありませんか?
上の線、どっちが長く見えますか?
正解は、全く同じ長さです。
他にも動かないはずの図形が動いて見えたり、無いはずの点が見えたり、見えていた物が消えてしまったり。
「錯視」で探したら面白いものが色々あると思いますので、興味がある方はぜひ調べてみて下さい。
それでは次回こそ、パーシバルさん、シェアードさんの登場です。
……多分。