私の眼日記 ⑲日頃、気になる症状・・【2】全身症状から考える

私の眼日記 ⑲日頃、気になる症状・・【2】全身症状から考える

読者の皆様、当社Blogをいつもお読み下さり有難うございます。

この原稿を書いている3月は、まだまだ新型コロナウィルスの影響が強く、
社会的・経済的な点からも大きな影響が出ています。

どうぞ皆様、人混みの多い場所での外出時には、マスク・手洗いを徹底して頂き、
一日でも早く安全な生活が戻って来ますように感染予防のための行動をお願い申し上げます。

 

さて今回の記事も3月分の記事に続きまして「日頃、気になる症状・・【2】」と題し、
私達、眼鏡店に勤務している者からお客様への問診から得られる情報として、
ご病気の疑いがあるかも知れないと思う症状別から検証してみます。

ただ誤解のないように書かせていただきますが、
今回の症状があるからと言って必ずしも病気を確定するものではありません。

最終判断はかかられている医療機関の先生にお尋ね下さい。

 

私達は、自分自身も日頃よく体験する全身症状から、
眼科の分野に特有の症状までお尋ねすることがありますが、
眼科以外の分野の病気も絡んでいる場合がございますのでご協力をお願いいたします。

例えば
・眼の視力測定でいろんなレンズをお試し頂いても良好な視力が出にくい
・前回眼鏡作成時からそれ程時間が経過していないのに現在の測定度数との差が極端にある
・ここ最近急に見え方の変化がある
…という場合には特に詳しくお尋ねする場合がございます。

その中には緊急を要し、すぐに病院に行って頂く場合もございます。

以前、私が接客させて頂いたお客様の中でもそういう方がいらして、
後にお店を訪ねて来て下さった時に
「眼科で診断を受けたら、重篤な症状だった。手遅れにならずに済んだ」
とお礼を言って下さった方もいらっしゃいましたので・・・

 

以下、症状から推測される眼の屈折異常や病気に重点をおいて簡単に述べさせて頂きます。

 

「薄暗くなると見えにくく、眼がショボつく」

→眼精疲労・老視・乱視・遠視・網膜の疾患の疑い、ドライアイなど

 

「首をかしげて見がちである」

→眼筋麻痺の疑い

 

「眩しさをよく感じる」

→遠視・乱視・角膜や結膜の炎症・白内障(及び白内障術後の方)・中心性網膜炎などの疑い

 

「眼球が硬く痛む。吐き気がする。
霧がかかった様に見えたり、電灯の周りに虹がかかった様に見える」

→緑内障の疑い

 

「見ようと思うところが薄暗くて見にくい、物が歪んだり小さく見えたりする」

→網膜の病気の疑い(中心性網膜炎・加齢黄斑変性症・黄斑円孔、黄斑前膜など)

 

「ものが霞んで霧がかかったような感じ」

→緑内障、白内障、軽い視神経炎などの疑い

 

「黒いゴミみたいなものがチラチラ飛んで見える」

→飛蚊症と言うもので、主に硝子体の濁りが多いですが
強度近視で程度が大きければ網膜裂孔や網膜剥離の疑い

 

「急激に見えにくくなった、急激に眼が疲れる」

→すぐに眼科での受診が必要

 

・・・など、直接眼の病気の判断材料になることがある問診の他にも、
過去の眼に関する因果関係を探るために、全身的な既往歴や日頃の生活の中で感じる症状についても、
私達眼鏡販売員は御質問させて頂く場合があります。

 

例えば、

「今まで、眼の病気や怪我などで眼科にかかられた事はありますか?」

「最近の身体の健康状態はいかがですか?」

「眼科以外の医療機関で入院・手術・通院をされたり、お薬などを常時服用はありますか?」

などの質問で、お客様の答えが「ある」という答えが返ってきましたら、
いつ頃・どんな事で、病院にかかったのか、手術の内容、現在の回復具合など、
今後の視力の変化の参考にさせて頂く事がございます。

 

全身の健康状態は、眼に影響を及ぼす事がよくありますので、
度数測定に関しそれを考慮する場合が多いです。

眼病以外での病気の主な病気は次のものです。

 

糖尿病

糖尿病になりますと、一時的に眼の度数がやや近視気味に移行しがちです。

もともと近視の方はその度数が強めに、遠視の方は弱めになる傾向が私の現場で経験した事があります。

その他には、糖尿病の初期には外眼筋麻痺による複視が出る場合があります。
(通常は数週間で改善されます)

また、若い頃に糖尿病の経験がある人は、網膜の静脈が出血しやすい糖尿病性網膜症を起こす場合もありますし、場合によっては網膜剥離まで及ぶ場合がありますので、早期発見でレーザー凝固等の治療が必要な場合があります。

高血圧と動脈硬化

動・静脈を生で観察しやすいのは、眼底ですので高血圧や動脈硬化の診断もしやすいです。

若年で高血圧に罹った時には、血管がまだ柔らかい為に眼底の網膜症が重症になる場合があり、
視力も出にくくなる傾向があります。

その他の疾患

腎臓病・妊娠中毒症・ホルモン異常・ビタミン欠乏症・ウィルス性の疾患などによって
眼に何らかの障害をもたらすことがあります。

薬物による影響

ある種の抗生物質・血圧降下剤・強心剤・胃腸薬(ロートエキスを含むもの)、
避妊薬(ピル)などによって眼に障害が起きることがあります。

上記の中で、例としてロートエキスという成分を含んだ胃腸薬を常用している人は、
調節麻痺を起こしていることがあります。

詳しくは、それぞれ服用されているお薬の副作用等をネット等でご確認下さい。

頭痛・・・判断が非常に難しい症状です。

頭のどのへんが痛むのか、どんな時・どの程度などにより変わりますが、
急に激しく痛む時はまず、病院での診察が重要です。

眼に関するもので頭痛を伴うものは、眼精疲労からくるものもありますが、
眼鏡の度数調整によって何とかなるものはごく一部です。

症状が治ったり軽くなったりするものも無くはありませんが、
原因疾患が本当にないかを、まず医療機関で診察・検査を受けて下さい。

眼科の絡む病気で、頭痛が起こる可能性が有るものは、
例えば緑内障・球後視神経炎・眼窩蜂窩織炎・三叉神経痛・虹彩毛様体炎・脈絡膜炎・網膜炎
などが挙げられます。

 

日常生活でこの様な症状がございましたら、ぜひ億劫がらず医療機関を受診なさって下さい。

また、次回は眼病についての具体的な症状を取り上げてみたいと思います。お楽しみに~ (^_^)/~